武装勢力がイエメン国防省を襲撃、52人死亡
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【12月6日 AFP】イエメンの首都サヌア(Sanaa)で5日、国防省の敷地入り口に爆発物を満載した車が突っ込み爆発、武装集団が侵入して銃撃戦になり、外国人医療関係者7人を含む少なくとも52人が死亡、167人が負傷した。当局が発表した。
同省敷地内にある病院が、銃撃戦の主な舞台となった。国営サバ(Saba)通信が報じた最高治安委員会の声明によると、亡くなった人の中にはドイツ人2人とベトナム人2人、イエメン人1人の医師計5人、フィリピン人2人とインド人1人の看護師計3人も含まれていた。他の死者は全て、病院内にいた一般市民や軍関係者だという。負傷者167人のうち9人が重傷を負った。
国防省によると、病院は武装集団によって一時占拠されたが、その後、治安部隊によって制圧された。また治安当局筋によると、銃撃戦は同省敷地外でも起きたが、事態は収拾し、現場には規制線が張られているという。
事件後、アブドラボ・マンスール・ハディ(Abdrabuh Mansur Hadi)暫定大統領も同病院を訪問。病院には90歳になるハディ氏の兄も入院していたとされる。
同国の首都および南部ではこの事件の前にも軍関係者を狙った奇襲攻撃が相次いでおり、「アラビア半島のアルカイダ(Al-Qaeda in the Arabian Peninsula、AQAP)」の関与が取り沙汰されている。AQAPは、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のネットワークの中でも米国が最も危険視する関連組織とされる。
イエメンでは、同国を33年間独裁したアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)前大統領が1年にわたる激しい抗議行動を受けて2012年2月に退陣を余儀なくされた後、政局が混迷。現暫定政権は、新憲法の制定と、2014年2月の議会・大統領選挙の実施を目指しているが、障害が山積している。
かつて別国だった南イエメンの再独立を求める声が強まっている他、最北部ではイスラム教のシーア(Shiite)派反体制勢力とスンニ(Sunnis)派強行集団が断続的に闘争を繰り返している。(c)AFP/Hammoud Mounassar