【12月5日 AFP】香港(Hong Kong)の市民には中国本土の人たちに否定的な感情を持つ人が多く、その割合はここ数年で最も高くなっていることが明らかになった。一方、日本人に対する感情は比較的、好意的であることが分かった。

 香港大学(University of Hong Kong)が先月、香港の市民1000人以上を対象に実施した調査によると、回答者の31.8%が本土の中国人に「否定的な」感情を持っているとの結果が出た。

 今年5月に行われた同じ調査でも同様の回答をした人は全体の35.6%だったことから、平均すると今年は2007年の調査開始以来、中国本土の人たちに否定的な感情を持つ人の割合が最も高かったことになる。

 香港を訪れる観光客をはじめ、中国本土の人たちは香港にとっての重要な資金源となっている。しかし、一方では香港の「資源」に対する負担となっているほか、物価上昇の原因にもなっている。香港では粉ミルクから不動産まで、あらゆる物が値上がりしている。さらに香港の市民は、本土の「成り金」たちの「洗練されていない」社会的習慣にも不満を募らせている。

 一方、香港の人たちは第2次世界大戦中の日本軍による占領で厳しい生活を強いられたにもかかわらず、今回の調査で日本人に否定的な感情を持っていると答えた人はわずか14.9%だった。

 しかし、日本の政府に否定的な感情を持っていると答えた人は今年前半の58.8%から63%に増え、高い水準に達した。(c)AFP