【12月5日 AFP】フランス国民議会(下院)で4日、買春客に対し1500ユーロ(約21万円)以上の罰金を科すことを定め賛否両論の的となっている法案の採決が行われ、賛成268、反対138、棄権79で可決された。

 同法案は、世界最古の職業である売春を減らすことを目的としてスウェーデンが成立させた同様の法律に触発されたもの。同法案は次に、上院で採決にかけられる。

 フランスでは、性交渉と引き替えに金銭を受け取ったり支払ったりする行為は、それだけでは犯罪には当たらない。しかし、客引きや、管理売春を含む売春あっせん行為、未成年者の売春は禁止されている。

 同法案については賛否両論があり、売春をさらに社会の暗部に追いやるだけで、売春によって生計を立てている女性たちをより弱い立場に追い込むことになると反対する声が上がっている。反対派の中にはフランスの著名人も含まれる。

 同法案では、売春婦にサービスの対価として金銭を支払った者に、初犯で1500ユーロ、2回目以降は倍以上の罰金を科すことを定めている。しかし、違反者は罰金の代わりに、売春の現実や売春婦らが抱える不幸な状況についての認識を深める講習を科される可能性もある。(c)AFP