【12月4日 AFP】米国防総省を管轄する警察当局主任からの念のためのお知らせにはこう書かれている──「職場に爆弾を持ち込む際には正式な書類に記入してください」。

 米国防総省高官によると、この通知が出されたきっかけは、同省エントランスで建物に入ろうとする民間人から無力化された手製爆弾の部品が発見されたことだった。

 他の政府省庁であれば、この出来事は警報を発したかもしれない。だが米軍本部の警察官らは、職員らが多種多様な普通でないものを持ち込むことに慣れている。国防総省での出来事は、海軍幹部に道路脇爆弾について説明するために、民間人が無力化した簡易爆発物(IED)を持ち込もうとしたというのが真相だ。道路脇爆弾は、過去10年間の米軍兵士の死因で最も多い兵器。

「所持していたのは無力化されたIEDの部品で、基本的にワイヤやスイッチ類だった」で「爆発物は含まれていなかった」と、国防総省報道官のトム・クロッソン(Tom Crosson)中佐は語った。

 米海軍が雇用していたこの民間人は、11月19日の国防総省登庁前に許可を申請するのを忘れていたという。何本かの電話連絡と確認の後、この民間人は爆弾の部品の持ち込みを許可された。

 この出来事を受け、国防総省本部の警備を管轄するスティーブン・カルベリー(Steven Calvery)主任は、無力化した銃器や爆発物を持ち込む際の手続きの徹底化を職員に要請した。

 また、先月には職員と来館者に対する抜き打ち検査も実施された。X線検査の結果、国防総省の警察当局はナイフ21本、催涙スプレー7本、散弾銃のカートリッジ5つ、警棒1本を押収したが、他にも違法薬物所持の容疑で米陸軍勤務の民間人1人が逮捕された。

 だが、適切な書類に記入し、必要な署名をもらっていれば、職員らが公式行事に銃器を持ち込むことも可能だと、国防総省高官は語る。「贈答品として、あるいは式典用として拳銃やライフル銃を持ち込むのは異例のことではない。手続きはある。建物内に持ち込むには手順があるんだ」と同高官は語った。(c)AFP