食事代申告制レストラン、大幅赤字に 中国
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【12月4日 AFP】食事代は客が払いたい額に任せるというシステムをうたうレストラン──払いたくなければ、まったく払わなくてもいい──は、自分の家の近所にあれば素晴らしいかもしれないが、リスクの高いビジネスモデルであることが、中国のある料理店の例で明らかになった。
イエス・キリストが5000人に食事を与えたという「パンと魚の奇跡」にちなみ「5つのパンと2匹の魚」と名付けられた中国福建(Fujian)省福州(Fuzhou)にある料理店は8月の開店以来、温かい食事とコーヒーを提供し、市中心部で24時間オープンとあって連日大盛況だ。海鮮料理や地元の福建料理を売りとしており、ホタテのガーリック炒めや牛肉のネギ香味炒め、酢豚などが看板メニューだ。
客は食事をした後に自分で食器を洗い、払いたいと思った額だけ箱に入れて帰るシステムになっている。しかし同店の投資家らによると、5分の1もの客が一銭も払わずに帰るため、店はこれまでに25万元(約420万円)の赤字となっている。
それでも店主のリュウ・ペンフェイさん(50)は、国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)に対し「最初は2か月持てばいいと思っていたが、今は3か月続いた。損失は耐えられないほどではない」と語った。
ペンフェイさんは10月に出演したテレビ番組で「当店が最も大切にしているのは金ではない、信頼だ」とも述べている。しかし今後、食事代をまったく払わなかった客には、その理由を説明してもらうことを検討中だ。「払える金がないと言うのならば、それはそれでいい。けれど、何も言わずに何も払わないのは、だいぶ違う。誠実であることが信頼づくりの第一歩だ。私から見て、食事代を払っていない人たちは、どこかおかしいように思える」(c)AFP