【12月4日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は3日、2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)が行われる予定の12会場のうち、3会場が完成期限となる12月31日に間に合わないことを明らかにした。

 W杯本大会の組み合わせ抽選会を6日に控え、ブラジル北東部のリゾート地コスタドサウイペ(Costa do Sauipe)で記者会見を行ったFIFAは、サンパウロ(Sao Paulo)、クリチバ(Curitiba)、クイアバ(Cuiaba)のスタジアムの完成が、絶対であると強調していた期限に間に合わないことを明かした。

 クリチバとクイアバのスタジアムは現在、本大会が始まるわずか4か月前となる2014年2月の落成が見込まれている。

 サンパウロのアレーナ・デ・サンパウロ(Arena de Sao Paulo)については、建設現場で11月27日、クレーンが倒れてスタンドの一部が倒壊し、下敷きとなった作業員2人が死亡するという事故が発生したため、FIFAは完成予定日を明言しなかった。

 ブラジルのスタジアムでは、W杯のプレ大会として2013年6月に行われたコンフェデレーションズカップ2013(Confederations Cup 2013)でも、いくつかの会場が期日までに完成しないという事態が発生しており、FIFAは以前から今回は遅れを許さないと発言していた。

 FIFAのジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長は、サンパウロは「いずれ準備が整う」と述べた上で、新しく提出された報告書を前向きに評価していると語った。

「先日、報告書を受け取った。スタジアムについて、いくつか小さな遅れがある。しかし本当にささいな問題なので、一か所(サンパウロ)を除いてすべて準備は順調だと言える」

 一方でFIFAのジェローム・バルク(Jerome Valcke) 事務局長は、以前からほかのスタジアムと比べて作業が遅れていたクリチバのスタジアムが、2月末まで完成しないとコメントした。

「クリチバは、われわれが最も大きな問題に直面しているスタジアムの1つで、2014年2月末まで落成しない。そこまでに完成が間に合うよう、準備を進めていく」

 このほかにはクイアバのスタジアム、さらにはアマゾン熱帯雨林の中心部に位置するマナウス(Manaus)のアレーナ・アマゾニア(Arena da Amazonia)も、現時点で作業が終わっていない。

 ブラッター会長は、FIFAはブラジルの連邦政府と州政府、当該都市の行政当局を信頼しており、試合開催へ向けた頃合いの時期に、会場の準備は整うだろうとの見解を示している。

 ブラジルのルイス・フェルナンデス(Luis Fernandes)副スポーツ大臣は、遅れの出ているスタジアムは「1月下旬、もしくは2月下旬」には落成するだろうとコメントしている。(c)AFP