【12月3日 AFP】ウクライナの首都キエフ(Kiev)で2日、ビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領の退陣を求める数万人の反政権デモ隊が、市庁舎を占拠し、主要政府庁舎付近を封鎖した。一方のミコラ・アザロフ(Mykola Azarov)首相は、「クーデターのあらゆる兆候」がみられるとデモを非難した。

 先月21日に政府が突如、欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)を含む連合協定調印を見送ると発表したことに反発した親EU派が始めた抗議デモは、警官隊が実力行使する事態に発展し、ウクライナは、ここ10年で最悪の政治危機に陥っている。

  EUとの協定調印は、もし実現すれば、ソ連時代の盟主だったロシアとの決別を意味する。ウクライナ情勢をめぐってEUと対抗する立場をとるロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、抗議デモについて「革命というより暴動のようだ」と批判した。

 これに対しEU主要国や米国は、政権側のデモ鎮圧を非難している。政府側発表によると、これまでに190人が負傷しているが、この中には警官、デモ参加者のほか、40人以上の報道関係者が含まれている。(c)AFP/Dmytro GORSHKOV, Zoya ZHMINKO