【12月2日 AFP】インド宇宙研究機関(Indian Space Research OrganisationISRO)は1日、アジア諸国初の火星到達を目指す同国の火星探査機「マーズ・オービター(Mars Orbiter)」が地球軌道を離脱して飛行計画の第2段階に入ることに成功したと発表した。

 探査機は無事に宇宙空間に放出され、火星への10か月の旅に乗り出した。この後は太陽を周回するルートを通り、来年の9月に火星に到着する予定だ。

 ISROのコッピリル・ラダクリシュナン(Koppillil Radhakrishnan)理事長は「すべてが順調に進行した。現在のマンガルヤーン(Mangalyaan)の健全性を調べたところ、すべて正常であることを確認した」とツイートした。マンガルヤーンは、今回の火星探査機ミッションのインドでの呼び名。

 小型車ほどの大きさの探査機は、火星大気中のメタンの検出を試みる予定だ。メタンの検出により、火星に何らかの生命体が存在した証拠が得られる可能性がある。

 11月5日に打ち上げられたインドのマンガルヤーンは、惑星間飛行の方法として異例の「スリングショット」手法を採用している。

 地球の大気と重力から直接離脱できるほどの推進力を持つロケットを持たないため、インドの宇宙船は11月末まで地球軌道上を周回し、地球から離脱できるだけの速度を獲得した。

 ISROの宇宙基地の責任者、M.Y.S.プラサド(M.Y.S. Prasad)氏によると、これで今回のミッションの重要な3段階のうちの2つが完了し、残る3つ目は探査機を正確に火星の軌道に乗せることだという。

 同氏はインド南部タミルナド(Tamil Nadu)州スリハリコタ(Sriharikota)にある宇宙基地で、カメラ、画像分光計、メタン検出器などの機器を搭載しているマンガルヤーンは5つの実験を行う予定だと語った。(c)AFP/Gulab Chand