【12月2日 AFP】米ニューヨーク(New York)市ブロンクス(Bronx)地区で1日、列車が脱線し、少なくとも4人が死亡、67人が負傷した。

 列車はマンハッタン(Manhattan)のグランド・セントラル駅(Grand Central station )に向かって南下していた際に高速で脱線し、冷たい川の中に落ちる寸前で止まった。緊急当局は大規模な救助活動を開始している。

 ニューヨーク消防局によると4人が死亡、11人が重傷、56人が軽傷を負った。当局によると、列車は空中に投げ出され、車両の破片が体に突き刺さった乗客や、絡まった金属部品を切断して救出された乗客もいたという。

 生存者の多くが手脚を骨折したり、頭や首にけがをしたりしている。血だらけの顔で頭にアイスパックをあてながら誘導された人もいた。

 事故原因はまだ不明だが、アンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)・ニューヨーク州知事は米MSNBCテレビに「線路に問題はなかったようだ」と話し、「列車の運行状況と速度」に焦点を絞った調査が行われていると明かした。また、事故直前の情報が記録されているブラックボックスの解析から走行速度やブレーキ使用の有無を調べ、原因究明に当たるという。

 乗客のうち少なくとも1人が、列車は普段より速いスピードで走っていたと語っている。事故が起きた場所は、マンハッタンすぐ北のスパイテンダイビル(Spuyten Duyvil)駅に入る下り坂のカーブだった。

 列車は、同駅に到着する前に脱線し、車両は、ハドソン(Hudson)川とハーレム(Harlem)川と線路を隔てている土手に投げ出された。2つの川はこの地点で合流している。

 列車は7車両全てが脱線し、先頭車は川の目の前で止まった。2車両が横倒しとなり、さらに2車両が線路外へと大きく脱線したが、転覆はかろうじて免れた。消防士130人以上が現場に駆けつけ、エアクッションを使って車両を安定させた。

 脱線の勢いで冷たい水中に投げ出された乗客がいる恐れがあるため、ダイバーらが両河川を捜索した。警察によると、死者のうちの3人は、列車から投げ出されていた。

 ニューヨーク警察幹部によると、列車には100人以上の乗客が乗っていたとみられている。列車はプーキプシー(Poughkeepsie)の町を午前6時(日本時間午後8時)に出発し、80分後に事故を起こした。(c)AFP/Brigitte DUSSEAU