【12月1日 AFP】英スコットランド最大の都市グラスゴー(Glasgow)で11月29日午後10時25分(日本時間30日午前7時25分)ごろ、警察のヘリコプターが平屋のパブ「The Clutha」の屋根に墜落した事故は、ヘリに乗っていた警官2人と民間人のパイロット1人、パブ店内にいた5人の合計8人が死亡し、32人が市内の病院3か所に搬送された。搬送者のうち14人は重傷だが、18人は既に退院した。警察幹部と医療関係者が明らかにした。

 墜落現場のパブの店内には当時100人余りの客がおり、ライブバンドが演奏中だった。30日はスコットランドの守護聖人である聖アンデレ(St. Andrew)の祝日だったものの、事故の犠牲者を悼む服喪の日となった。

 英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)は哀悼の意を表明。スコットランド行政府のアレックス・サモンド(Alex Salmond)首相は「暗黒の一日(black day)」とコメントし、半旗の掲揚を命じた。 サッカーのフォルカーク(Falkirk)対グラスゴー・レンジャーズ(Glasgow Rangers)戦の開始前には選手やサポーターらが1分間の黙とうをささげた。

 がれきが散乱する墜落現場では捜索救助活動が行われ、安否不明者の家族や知人らは不安を募らせている。

 スコットランドの警察幹部が記者団に語ったところによると、捜索救助活動は難航しており、長引く恐れがある。また、建物内部で身動きが取れなくなっている人がまだいるかどうかは不明だという。

 目撃者は、ヘリコプターは石のように落下したと話しており、パブにいた人たちは、大きな物音を聞いた直後に屋根が崩れ、辺りにほこりが充満し、悲鳴が上がったと話している。(c)AFP/Katy Lee