【11月30日 AFP】イラクで29日、首都バグダッド(Baghdad)とその周辺をはじめとする各地で銃撃や爆弾攻撃が相次ぎ、全土で合わせて52人が死亡した。拉致・射殺された後に遺体が遺棄された例が多く、かつて同国にまん延した宗派間抗争をほうふつとさせる惨状を呈している。

 この日は主にバグダッドやイスラム教スンニ(Sunni)派のアラブ系住民が多い北部と西部で、民間人や地元当局者、治安部隊が銃撃や爆弾攻撃の標的になった他、売春宿1か所も襲撃を受けた。

 イラクでは暴力行為により今月だけで600人以上が殺害され、2005~07年に広がった宗派間対立の再燃が懸念されている。さらに今年の犠牲者数は6000人を超えていることから、総選挙を数か月後に控えた同国は武装勢力鎮圧に向け国際社会に支援を要請せざるを得ない事態に陥っている。とりわけ当局は、隣国シリアでの内戦で再び目立った動きを見せている国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)への警戒を強めている。(c)AFP/Salam Faraj