【11月30日 AFP】(一部更新、写真追加)英スコットランドのグラスゴー(Glasgow)で29日、警察のヘリコプターがパブ「The Clutha」に墜落し、多数の負傷者が出た。死亡者がいる恐れもある。

 スコットランド行政府のアレックス・サモンド(Alex Salmond)首相はツイッター(Twitter)で、墜落したのは警察のヘリコプターだったことを確認し、大規模な救助活動が行われているが事故の規模からして死者が出ていると「覚悟しなければならない」と述べた。

 スコットランド警察によると墜落したのはユーロコプター(Eurocopter)製のEC135型機で、警察官2人と民間のパイロット1人が乗っていた。救急当局によると、125人の救急隊員が救助にあたっており、すでに多数の負傷者を救出した。パブの中にいる人たちとも連絡はとれているが、その人数は分かっていないという。

■バンドの演奏中に「煙のようなもの」が

 事故当時パブには、30日の聖アンデレ(St. Andrew)の祝日を前に100人以上の客がいた。パブの中にいたグレース・マクレイン(Grace MacLean)さんは英国放送協会(BBC)に対し、事故当時はスカ(ジャマイカ発祥のポピュラー音楽)のバンドが演奏していたと語った。

「楽しい時間を過ごしていたところ、ビューンという音がした。爆発音や爆発はなかった。煙のようなものが出てきたので、バンドのメンバーと私たちは演奏で屋根が崩れてきたと冗談を言っていた。演奏は続けられたが、さらに煙のようなものが出てきて、誰かが悲鳴を上げた。するとパブ全体にほこりが充満した。何も見えず、息もできなくなった」(マクレインさん)

 現場付近を車で走っていたという労働党のジム・マーフィー(Jim Murphy)議員はBBCに対し、その場を通過した1~2秒後に「ヘリコプターのようなものがパブに墜落したようだ」と語るとともに、「複数の負傷者」を見たと述べていた。

 ソーシャルメディアには、パブの屋根に墜落したヘリコプターの残骸とみられる物の写真が複数アップロードされた。これらの写真では、ヘリコプターの一部が平屋建てのパブの天井を突き破っているように見えた。

 ルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏の大衆紙サン(The Sun)スコットランド版の編集者で、事故を目撃したゴードン・スマート(Gordon Smart)さんは英テレビ局スカイニューズ(Sky News)に、次のように語っていた。

「とても非現実的な瞬間だった。かなりの高さからかなりのスピードで落ちてきたようだ。あれは警察のヘリコプターだったと80%確信している。火の玉はなく、私には爆発音も聞こえなかった。石のように落ちてきた。エンジンからパチパチという音がしていたようだ」

(c)AFP