【11月29日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)は28日、試合中に故意に飲み物をこぼして試合の進行を妨げたとして、ブルックリン・ネッツ(Brooklyn Nets)のジェイソン・キッド(Jason Kidd)HCに5万ドル(約510万円)の罰金を科した。

 問題の行為は27日にネッツが94-99で敗れたロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)との試合の最中に行われた。

 試合残り8.3秒にレイカーズのジョディ・ミークス(Jodie Meeks)にフリースローを決められ、96-94でリードを奪われた場面で、タイムアウトを使い果たしたキッドHCはネッツのテイショーン・テイラー(Tyshawn Taylor)とぶつかって手に持っていたジュースをコートにこぼした。

 キッドHCはわざと飲み物をこぼしたのではないと弁明したが、リプレイ映像には、同氏がテイラーにに向かって「ぶつかれ(Hit me)」と指示している様子がしっかりと映し出されていた。

「テイを呼んでいた時に、コップが手から滑り落ちてしまったんだ。手に汗をかいていた」とキッドHCは語った。

 さらに現役時代にNBA歴代2位の通算スチール数とアシスト数を記録した同HCは、「私はもともとボールも扱いがうまくなかったからね」と冗談を加えた。

 またテイラーもHCの指示でわざとぶつかったことを否定しており、「(前方に)注意していなかった。だからHCにぶつかってしまったんだ」と語った。

 故意だったにせよ無意識だったにせよ、こぼれた飲み物を片付けるために試合の進行が滞ったことで、キッドHCはチームを整列させる時間を儲け、試合最後に得点を挙げるチャンスをものにした。

 プレーが再開しミークスが2本目のフリースローに成功した後、試合残り2.2秒でネッツはポール・ピアース(Paul Pierce)がスリーポイントシュートに臨んだ。しかし失敗し、ネッツはそのまま敗戦を喫した。

 キッドHCが現役時代にダラス・マーベリックス(Dallas Mavericks)に所属していた頃、アトランタ・ホークス(Atlanta Hawks)戦で相手チームのマイク・ウッドソン(Mike Woodson)HCとわざと接触した事件は語り草となっている。キッド氏はサイドラインに沿ってドリブルでボールを運んでいたところ、わざとウッドソンHCにぶつかり、相手のせいにした。(c)AFP