【11月29日 AFP】(一部更新、写真追加)香港(Hong Kong)からマカオ(Macau)に向かっていた高速フェリーが29日未明、香港沖の海上で何らかの物体と衝突し、乗客ら87人が負傷した。うち3人は重傷だという。香港当局が発表した。

 日本の外務省によると、この事故で日本人3人も負傷。うち1人は頭部を負傷し、現在も病院で治療を受けているという。

 フェリーの運航会社「噴射飛航(TurboJet、ターボジェット)」によると、事故を起こした「木星(Madeira)号」は船体を海面に浮上させて水中翼で走行するジェットフォイルで、乗員10人と乗客105人が乗っていた。午前1時20分(日本時間午前2時20分)ごろ、香港沖に浮かぶ小島の付近で「正体不明の物体と衝突」したという。

 乗客の1人は事故当時の状況について、香港のニュースサイト「蘋果日報(Apple Daily)」に「突然大きな音がして、船体が浮き上がった。乗客の多くが座席から放り出された」と語っている。

 フェリーからは、複数の乗客が担架で運び出され、救急車で病院に搬送された。中には、首を固定され、酸素マスクを装着された人もいた。

 当局によると、事故現場の海上には消防艇3隻が急行したが、フェリーがぶつかったとみられる物体は見つからなかったという。

 ニュースサイト「RTHK」が伝えた噴射飛航の広報の話によると、事故はフェリーが香港を出港した約15分後に発生。同広報は、負傷者の数が多いのは乗客がシートベルトをしていなかったからだと説明し、フェリーは速度超過をしていなかったと述べた。また、船体には大きな損傷はなかったという。(c)AFP