草食動物の「集団排せつ」、古代爬虫類も行っていた可能性 アルゼンチン研究
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【11月29日 AFP】ゾウ、サイ、ラクダなどの大型の草食性哺乳類の一部は、食事だけでなく排便も集団で行っている。これまで研究者らは、集団での排便には重要な機能がいくつかあると推測してきた。1つは、新たな寄生虫の発生を防ぐための衛生面の機能であり、もう1つは、獲物を求めてさまよっている捕食動物を大勢で監視するための安全面の機能だ。
だが、英科学誌ネイチャー(Nature)系サイト「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に発表された論文が提示している新しい証拠は、この「共同便所」が非常に古い歴史を持っており、これらの哺乳類が登場する以前から存在していたことを示唆している。
アルゼンチンの国家科学技術研究委員会(National Council of Scientific and Technical Investigation、CONICET)のルーカス・フィオレッリ(Lucas Fiorelli)氏率いる研究チームは、同国北西部で発掘された大量の化石化した「ふん」について報告している。
研究チームは、全長が0.5~35センチほどの大きさの、3万個にも及ぶふんの数を集計した。中にはこの古代の排せつ物が1平方メートル当たり最大100個も堆積している場所もあった。
その結果、この「共同便所」が2億4000万年のものであることが判明した。これは、これまでの最古の記録からちょうど2000万年さかのぼることになる。
さらに、ふんを詳細に調べたところ、これを堆積させたのは、初期恐竜と共存していた「大型草食(megaherbivore)」爬虫(はちゅう)類のディキノドン類(Dicynodontes)の一種に他ならないことが明らかになった。
「これは、非哺乳類脊椎動物に大型草食動物の共同便所があった世界初の証拠であり、このような哺乳類型の行動が哺乳類の遠い親戚にも存在したことを示している」と論文は述べている。(c)AFP