【11月29日 AFP】11年前に成人への安楽死が合法化されたベルギーで27日、末期患者の子どもにも安楽死を認める法案が、倫理的側面についての激しい国民的議論の末、上院の司法・社会問題委員会を通過した。

 法案は安楽死の適用可能対象を未成年まで広げるというもの。中道のキリスト教民主系政党を除く全政党が支持し、上院委で賛成多数で可決された。今後数か月中に上下両院で採決が行われる見通し。

 過去に違法ながら肉体的苦痛の中にあった子どもたちに安楽死を施した経験を持つ医師や看護師らの証言に基づくと、同法案が施行された場合には年10~15件の未成年の安楽死が行われるとみられる。

 法案は末期患者の未成年に安楽死を認める条件として、意思決定を自ら下す能力があり、かつ「耐えがたく治癒不可能な」苦痛に見舞われていることとしている。子どもたちには医療チームが助言を提供するが、両親の同意も必要とする。

 直近の世論調査では、ベルギー国民の75%が同法案を支持すると答えていた。(c)AFP/Jerome RIVET