【11月28日 AFP】イタリア上院は27日、脱税で実刑が確定したシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相の議員資格剥奪を賛成多数で決め、同元首相を国会から追放した。これにより同元首相が逮捕される可能性が高まるが、同元首相自身には波乱に満ちた20年の政治生命に幕を引く意思はないものとみられる。

 首相を3度務めたベルルスコーニ元首相はローマ(Rome)の自宅前に集まった数千人の支持者に向け、この日を「辛苦の日、民主主義の死を悼む日」と表現、この議決にくじけることなく「闘い続ける」と強気の姿勢を崩さなかった。

 同元首相は今後6年間、首相や議員への立候補を禁止され、また議員不逮捕特権も失う。イタリア国内では同元首相の逮捕が近いとのうわさも広がっているが、弁護士はこれを「ばかげた話」と一蹴、その理由として同元首相がすでに旅券を返納し国外逃亡の恐れがないことを挙げている。

 識者らはこの議員資格剥奪の議決について、ゆっくりと最期に向かう同元首相の政治生命をさらに短くする要因になるとみる一方で、元議員として引き続き大きな影響力を及ぼすことには変わりないだろうと指摘している。(c)AFP/Dario THUBURN