【11月27日 AFP】米の消費者団体「米国公共利益調査グループ(US Public Interest Research GroupPIRG)」は26日、玩具の安全性に関する調査結果をまとめた年次報告書「おもちゃの国に潜む危険(Trouble in Toyland)」を公表した。

 28回を数える今回の報告書では、アメリカン・コミックのスーパーヒーロー「キャプテン・アメリカ(Captain America)」の盾をかたどった玩具に、法定基準の26倍の鉛が含まれていたことが明らかにされ、2013年の最も注意すべき危険な玩具の一つであると警告した。

 報告書によると、通常8.99ドル(約910円)ほどで販売されている「キャプテン・アメリカ」の盾を模した玩具からは、同国の消費者製品安全改善法(Consumer Product Safety Improvement Act)が規定した含有量100ppmをはるかに超える2900ppmが検出されたという。

 PIRGのジェニー・レビン(Jenny Levin)氏は、米首都ワシントン(Washington D.C.)で行われた報告書の発表の席で、「我々は最も小さな消費者を危険な玩具から守らなければならない」と報道陣に語った。会場には、PIRGにより危険と指摘された玩具が数多く並べられた。

 報告書は誤って飲み込むと体内で深刻な問題を引き起こす可能性がある、強力な小型マグネットを使用した玩具や、目覚まし時計と同等の大きな音を出すおもちゃの携帯電話などについても注意を促した。おもちゃの携帯電話は、子どもが耳に近づけて遊ぶものだという。

 調査対象となったおもちゃは、9月~11月に全国規模のチェーン店や小売店、1ドルショップなどから入手したもので、シカゴ(Chicago)にある研究施設で分析が依頼された。PIRGの調査報告書は、これまでに150を超える玩具に対し、リコールや規制措置の発令を促した実績がある。

 クリスマス商戦を間近に控えるこの時期、米国内の商品棚に実際に並んでいる玩具の中には、鉛などの有毒物質を含むものや、子どもが誤ってのみ込むと窒息する危険性があるものもあるという。

 消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety CommissionCPSC)によると、米国内で発生した玩具に関連する死亡事故は、2011年に17件、2012年は11件発生している。2012年の事故のうち3件は窒息によるものだった。(c)AFP/Robert MACPHERSON