機内通話解禁の提案に反対続出、米
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【11月27日 AFP】米規制当局が、飛行中の航空機内での携帯電話の利用解禁を検討すると発表したことを受け、米国では各方面から反対の声が続出している。
米連邦通信委員会(Federal Communications Commission、FCC)は先週、携帯電話による通話の解禁を12月12日に開かれる委員会で協議すると発表。すると数時間後には、請願書やソーシャルメディア、メディア向けの声明などを通じて異議を唱える声が噴出した。
客室乗務員組合(Association of Flight Attendants)は、「落ち着いた客室環境を維持することの重要性」を指摘し、規制の改定に断固として反対するとの声明を発表した。同組合は「電話で話す乗客が単なる迷惑行為を通り越して、航空の安全性に甚大でリスクの高すぎる悪影響を与える可能性がある状況は、非常に多く存在する」としている。
政府に規制改定の阻止を求めるオンライン請願には、1日で1000人以上が署名した。請願書は「飛行中、乗客は狭い空間に、長い時間、閉じ込められることが多い」、「見知らぬ人が交わすくだらなく、騒々しい、内輪だけの個人的な会話を聞くのを強いることは、FCCがこれまで考え付いた中で恐らく最悪の提案だ」と批判した。
マイクロブログのツイッター(Twitter)上での反応は、激怒から滑稽な内容までさまざまだ。
ニューヨーク(New York)州バッファロー(Buffalo)のフレッド・サマーズ(Fred Somers)さんは「飛行機は不愉快な電話マナーから逃れられる数少ない場所の一つ。他はどこに行っても携帯だらけ!機内は通話禁止!」と訴えた。
メリーランド(Maryland)州ベセスダ(Bethesda)のロン・チャールズ(Ron Charles)さんは「FCCには、携帯を使う人を飛行機から投げ落とすのを禁止するあの古い規制も撤廃してほしい」との皮肉を投稿した。
ニュースサイト「マーケットウオッチ(MarketWatch)」の調査では、83%が機内での通話に反対で、賛成派はわずか6%だった。
FCCのトム・ウィーラー(Tom Wheeler)委員長は22日、こうした抗議の声を受けて、FCCは技術的な内容を検討するだけで、携帯利用の許可を各航空会社に指示する立場にはないと説明し、事態の収拾を図っている。(c)AFP/Rob Lever