【11月27日 AFP】オランダの美術館からパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)などの名画7点が盗み出された事件で、ルーマニアの裁判所は26日、犯行を認めたルーマニア人の男に禁錮6年8月の有罪判決を言い渡した。盗まれた作品の所在は現在も分かっていない。

 有罪となったラドゥ・ドガル(Radu Dogaru)被告(29)は、2012年10月にオランダ・ロッテルダム(Rotterdam)の美術館からピカソやクロード・モネ(Claude Monet)、ポール・ゴーギャン(Paul Gauguin)の作品が3分間で盗み出された事件の主犯格とされている。ルーマニアの首都ブカレスト(Bucharest)の裁判所で開かれた判決言い渡しには出廷しなかった。


 また、運転手役を務めたとされる男にも同様に禁錮6年8月が言い渡された。

 盗まれた7点には、ピカソの「アルルカンの頭部(Tete d'Arlequin)」、モネの「ウォータールー橋(Waterloo Bridge)」、ゴーギャンの「Femme Devant une Fenetre Ouverte, dite La Fiancee(開いた窓の前の女、婚約者)」が含まれる。

 これらの作品の行方をめぐっては、ドガル被告の母親が証拠隠滅のために燃やしたと話したことから、全て焼失した恐れが出ている。

 母親は後に発言を撤回したが、ルーマニア歴史博物館(National Museum of Romanian History)の専門家チームが母親宅のかまどの灰を調べたところ、油絵3点の燃えかすと19世紀末以前に絵画の額に使われていたくぎが発見されている。(c)AFP