【11月27日 AFP】ジャンイブ・ルドリアン(Jean-Yves Le Drian)仏国防相は26日、フランスのラジオ放送で、内紛が激化している中央アフリカに1000人規模の仏軍部隊を増派する方針を明らかにした。中央アフリカについては、国連(UN)が「完全な無秩序状態」に陥りつつあると警告している。

 中央アフリカでは、治安部隊と反社会的勢力が村々を破壊し、公開処刑めいた殺りく行為やレイプが横行しているとの報告が多数寄せられている。鉱物資源に恵まれながら最貧国の1つである同国が「途方もない惨事」に直面しつつあるという懸念を受け、同国での暴力行為に国際社会が対応すべきだという声が強まっている。

 同国の旧宗主国フランスは国連安全保障理事会(UN Security Council)に、中央アフリカに派遣された国際部隊に武力の行使を認める決議を提案している。ルドリアン氏はフランスのラジオ局ヨーロッパ1(Europe 1)に対し、フランスがこの国際部隊を支援するため約1000人を増派する方針を明らかにし、派遣期間は「短期で、6か月程度」になると述べた。中央アフリカ暫定政府のニコラ・チャンガイ(Nicolas Tiangaye)首相は前日の25日、首都バンギ(Bangui)に駐留している410人の仏軍部隊に800人を追加派遣することにフランスが言及したと述べていた。

 アフリカの中央に位置する人口約450万人の中央アフリカでは、1960年の独立以降クーデターや反体制派の蜂起が相次いでいる。今年3月には、反政府勢力セレカ(Seleka)がフランソワ・ボジゼ(Francois Bozize)大統領を国外追放し、セレカの指導者ミシェル・ジョトディア(Michel Djotodia)氏が暫定政府の大統領に擁立されたが、暫定政府も国内を統制できずにいる。イスラム教徒が中央アフリカの大統領になったのはジョトディア氏が初めて。(c)AFP/Michael MAINVILLE