【11月27日 AFP】ウクライナ当局は26日、欧州連合(EU)との「連合協定」への署名を延期するよう、ロシアから働き掛けがあったことを初めて認めた。この協定が成立すれば、旧ソ連のウクライナがEUに加盟する道が開かれるはずだった。

 ミコラ・アザロフ(Mykola Azarov)首相は同日外国の報道陣に対し、ロシアからEUとの協定への署名を延期するよう促されたと言明。さらに、自国がロシアとEUとの外交上の激しい競り合いの種になっていることに不満を漏らし、「ウクライナはロシアとEUの戦場になるつもりはない。国際外交の駆け引きにも巻き込まれたくない。われわれの国益が考慮されるべきだ」と語った。

 アザロフ氏のこの発言は、かつて共にソ連を構成したロシアとの関係の方を重視してEUとの歴史的な協定の締結を凍結するというウクライナの衝撃的な決定に抗議し、数千人の市民が首都キエフ(Kiev)中央に集結して3日目の大規模デモに備える中で報じられた。このデモは、同国で2004年に当時公然とロシアからの支援を受けていた政府に対し民主化を訴え、いったんは親欧米政権を誕生させた「オレンジ革命(Orange Revolution)」以来、最大規模の抗議活動となっている。

 ロシアがウクライナにリトアニアの首都ビリニュス(Vilnius)で28日から2日間の日程で開かれる首脳会議でEUとの協定に署名しないよう政治的・経済的な圧力をかけたことに、EU諸国の指導者らは激しく非難している。

 これに対しロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は26日、EUとウクライナが自由貿易協定を結べば、ロシア経済にとって「大きな脅威」になったはずだとして、欧州諸国の指導者らに対しウクライナの協定署名延期をめぐる「手厳しい批判」をやめるよう呼び掛けた。(c)AFP/Dmytro GORSHKOV, Zoya ZHMINKO