フランシスコ法王、世界の不平等に警告 教会改革を呼び掛け
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【11月27日 AFP】(一部更新、写真追加)ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は、26日に発表された文書で、バチカン(ローマ法王庁)から権力を排除するための改革を呼び掛け、法王の権限をどのように改革すべきか「提案を受け付けている」と述べた。
また、フランシスコ法王はカトリック教会は貧しい人々の支援にもっと携わるべきだと述べ、世界の不平等の高まりが「爆発」して衝突が発生しかねないと警告した。
■法王改革を呼び掛け
フランシスコ法王は初めての「使徒的勧告」の中で、法王の役割をどのように改革すべきか「提案を受け付けている」と述べ、前法王のベネディクト16世(Benedict XVI)からの変革を示した。
さらに法王は「法王の転換」時期が来たと述べ、「過度の集権化は、役立つよりも、カトリック教会の在り方を複雑にしている」と付け加え、「それだけでなく私は、教会や世界に影響を及ぼすあらゆる疑問に対して、法王の教導権が、絶対的な、あるいは完全なことばを提供すると期待されるべきだとは信じていない」と述べた。
■経済システムのもたらす不公平に警告
また、フランシスコ法王は世界経済と現代資本主義のもたらす不公平を非難し、「貧しい人々による暴力行為が非難されている。だがしかし、均等な機会がなければ、さまざまな種類の攻撃性や対立が自らを成長させるための肥えた土壌を見つけ、そしてやがて爆発するだろう」と警告した。
法王は、伝統的にキリスト教国だった国々に多くのイスラム教徒が移住してきていることから、イスラム教との関係がカトリック教会にとって「大きな重要性」を持つようになったとし、「われわれキリスト教徒は、イスラム文化の国々でわれわれが受けることを望み、求めるのと同じ方法で、親愛と敬意を持ってイスラム教徒の移民を受け入れるべきだ」と述べた。
■「教会の門戸は常に開いておくように」と助言
勧告には、聖職者らへの実用的なアドバイスも含まれており、フランシスコ法王は、「われわれの教会の門戸は常に開かれているべきだ。そうすれば、聖霊に導かれ、神を求めて教会を訪れた人が、閉ざされた門に出会うことはないだろう」と述べた。
「私は、カトリック教会が、中心にいようと気にして、強迫観念や手続きの網の目にとらわれる結果になってほしくない」とフランシスコ法王は述べ、「われわれのドアの外では人々が飢えているにもかかわらず、誤った安心感を与える機構」を非難した。(c)AFP/Dario THUBURN