【11月26日 AFP】これまでで最大規模となる英国人の性的習癖に関する調査結果が26日、英医学専門誌「ランセット(The Lancet)」で発表され、同性と関係を持ったことがある女性の数が過去20年で4倍に増えていたことが分かったという。

 英国人1万5000人以上に性生活の聞き取り調査をしてまとめられた「性的態度と生活習慣についての全国調査(National Survey of Sexual Attitudes and Lifestyles)」によると、8%近い女性が同性と関係を持ったことがあることが分かった。これは1990年の1.8%から約4倍増加していることになる。

 一方、同性と関係を持ったことがある男性は4.8%と、同じ期間であまり変動がみられなかったという。

 調査を共同で実施した英ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院(London School of Hygiene and Tropical MedicineLSHTM)のケイ・ウェリングス(Kaye Wellings)教授は、20年前に実施された最初の調査以来、女性の性的行動に著しい変化があったと話す。

 こうした傾向は、社会における女性の地位や、人々の生活習慣を支配する社会的規範、メディアにおける女性の性的関心の描き方などにおいて、大きな変化があったという背景を含めて考慮する必要があるという。

 さらに、英国人女性が生涯で性交渉を行う人数は、20年前と比べて倍となる平均7.7人であることが分かった。この項目では男性も同様に8.9人から12人ほどに増加したが、この伸びの鈍化はジェンダー・ギャップ(男女格差)が縮まったことを示唆しているという。

 また性交渉の回数については、平均的な英国人は月に5回以下で、10年前の月6回以上を下回る結果だったことが分かった。その原因としては、かつてより一人暮らしが増えて性交渉の機会が減ってしまったことと、景気の悪化に伴って自己評価が下がってしまうことが挙げられるという。

 加えて、この調査の結果、年齢のせいで性交渉を行わなくなるということはなく、65歳から74歳までの高齢者のうち、60%の男性と42%の女性が過去1年間のうち少なくとも1人性交渉の相手がいたことが明らかになった。またその対極として、約3分の1の少年少女が、法定年齢の16歳以前に性交渉の経験があることが分かったという。(c)AFP