【11月26日 AFP】米東部コネティカット(Connecticut)州ニュータウン(Newtown)のサンディフック小学校(Sandy Hook Elementary School)で昨年に起きた銃乱射事件で、米捜査当局は25日、犯行の動機を突き止めることはできなかったものの、容疑者には「著しい」精神面での問題があり、大量殺人に執着していたとの最終報告書を発表した。

 昨年12月14日に起きたサンディフック小学校での銃乱射事件では、アダム・ランザ(Adam Lanza)容疑者(当時20歳)が児童20人と成人6人を殺害して自殺し、米国史上最悪の銃乱射事件の一つとなった。報告書の公表により、捜査は終了となったが、同時にランザ容疑者の行動面における問題が浮かび上がった。

 報告書によるとランザ容疑者は、銃器に強い興味を持ち、自室に引きこもっていたとされる。またアスペルガー症候群と診断されたが、投薬治療を拒み、自室の窓を黒いごみ袋で覆っていたという。

 コネティカット州のスティーブン・セデンスキー(Stephen Sedensky)検事が作成した報告書では、ランザ容疑者は単独で犯行に及んだとしたが、11分間足らずのうちに26人を殺害した動機については不明とされた。

 事件当日、ランザ容疑者はまず、ベッドに横になっていた母親のナンシー・ランザ(Nancy Lanza)さん(当時52歳)の頭部を数回にわたり撃ち殺害。その後、母校のサンディフック小学校へと向かい、学校の廊下で校長とカウンセラーをブッシュマスター(Bushmaster)製ライフルで殺害、学校関係者2人を負傷させた。その直後に、1年生の2つの教室で同じライフルを乱射し、成人4人と児童20人を殺害した。

 警察は、通報から4分足らずで現場に急行したが、ランザ容疑者はその1分後に、銃を乱射した1年生の教室でグロック(Glock)製10ミリ口径の拳銃で自殺した。

 報告書は「わずか11分の間に、1年生の児童20人と成人6人が死亡した」と記している。また、ランザ容疑者には「精神衛生上の著しい問題」があった他、大量殺人に執着し、特にコロラド(Colorado)州のコロンバイン高校(Columbine High School)で1999年に起きた銃乱射事件には強い興味を示していたと書かれている。

 ランザ容疑者の自宅からは大量の銃器が見つかった。銃器は全て母親のナンシーさんが購入したもので、他にもナイフや剣、槍(やり)などもあった。

 事件発生の約1か月前、ナンシーさんは、ランザ容疑者が約3か月間外出していないこと、さらには同じ家に住んでいるにもかかわらず、電子メールを通じてしか会話しないことについて、不安を口にしていたという。(c)AFP/Jennie MATTHEW