【11月26日 AFP】イスラエルの入植地問題を監視するNGO「ピース・ナウ(Peace Now)」は25日、イスラエル当局がパレスチナ自治区のヨルダン川西岸(West Bank)に新たな入植住宅829戸の建設を許可したと発表した。

 同NGOの広報担当者はAFPに対し、「829戸の建設は、ヨルダン川西岸を管轄するイスラエル軍の委員会によって承認された」として、「またしても和平プロセスの阻害につながりかねない行為だ」と指摘した。

 パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長は先に、イスラエルがパレスチナ自治区内で入植住宅の建設を継続すれば中東和平交渉の進展が脅かされると警告している。

 ヨルダン川西岸では2週間前にも、過去最多となる約2万戸の入植住宅建設計画が発表されたばかり。これについては、米国からの圧力を受けたベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が撤回している。7月にイスラエル・パレスチナ双方を和平交渉の場に導いたのは米国であり、またイスラエル側には米国がイランと核開発問題で合意するのを思いとどまらせたい狙いがあった。

 この入植住宅建設計画をめぐっては、抗議するパレスチナ側の交渉担当者全員が辞任を表明。アッバス議長はまだこれを承諾していないが、両国の和平交渉は再開後3か月余りで早くも行き詰まりを見せている。

 同議長は先週AFPに対し、パレスチナ側は米国と合意した4月ごろまで続く和平交渉に全期間にわたって参加する意向を明らかにしていた。ただし、もしこの交渉が決裂した場合は、イスラエルの違法な入植住宅建設について国際法廷で法的措置を講じる構えを示している。(c)AFP