【11月21日 AFP】 イラクで20日、首都バグダッド(Baghdad)のイスラム教シーア(Shiite)派が多数を占める地区での自動車爆弾攻撃などが相次ぎ、計49人が死亡、100人以上が負傷した。

 総選挙を4月に控えるイラクでは、流血の抗争が長期化し、2008年以来最多の死者を出す事態になっており、イラク当局は国際援助の訴えを余儀なくされている。

 治安・医療当局によると、バグダッドのシーア派地区を中心に少なくとも8件の爆発があり、36人が死亡、100人近くが負傷した。うち7件は自動車爆弾が爆発したものだったという。

 バグダッドでは17日にも似たような連続爆弾攻撃が起き、21人が死亡しており、11月の死者数は300人を超えた。

 バグダッド北部のイスラム教スンニ派(Sunni)が多数を占めるアダミヤ(Adhamiyah)地区でも自動車爆弾爆発が1件あったと当局が述べている。

 これとは別に、警察当局によると、普段は平穏な北部クルド人自治区のスレイマニヤ(Sulaimaniyah)市で、ジャラル・タラバニ(Jalal Talabani)大統領の首席護衛官が武装集団によって殺害された。

 またバグダッドと北部の主要都市モスル(Mosul)での複数の銃撃、アブグレイブ(Abu Ghraib)とブフルズ(Buhruz)での爆弾攻撃でさらに12人が死亡した。

 ヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相は米国政府に対し、情報共有の拡大や、新型兵器システムの適時供給といった援助を求めている。(c)AFP/Al-Nasir Bellah, Salam FARAJ