病気で肥満状態の仏男性、英国でも困難に直面
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【11月20日 AFP】病気が原因で肥満状態に陥り、米国で体重過多を理由に航空会社から搭乗を拒否された仏人男性が19日、別の航空会社の旅客機で英国に到着した。だが男性を待っていたのは新たな「乗車拒否」だった。
ホルモン異常の治療を受けるために2012年5月に渡米していたケビン・シュネ(Kevin Chenais)さん(22)さんは先月、英ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways、BA)の便で帰国する予定だったが、230キロというシュネさんの体重を理由に搭乗を拒否された。その後シュネさん一家は、クルーズ船クイーン・メリー2(Queen Mary 2)号で大西洋を渡って帰国する計画を立てたが、船の所有会社から乗船を拒否されていた。
シュネさんは19日、英ヴァージンアトランティック航空(Virgin Atlantic Airways、VA)の旅客機でようやく米ニューヨーク(New York)から英ロンドン(London)のヒースロー空港(Heathrow Airport)に到着した。
疲れ切った様子でヒースロー空港に降り立ったシュネさんは、移動用のスクーターに座りながらAFPの取材に応え、帰国にあたっての数々の苦難を「最悪だった」と表現。「フライトはつらかった。機内ではずっと泣いていた」と語った。
■ユーロスターの安全規則が乗車を阻む
シュネさんは空港で仏領事館職員に迎えられ、19日中に出発する英仏海峡を渡ってパリ(Paris)に向かう高速鉄道ユーロスター(Eurostar)の切符を買う手はずが整えられた。
だが、ユーロスター側から、非常時の規則を理由に乗車を拒否されてしまった。ユーロスターの広報担当者によると、同社は乗客の体重に制限はかけていないが、乗務員は非常時に、各列車に2か所設けられている障害がある人や移動が困難な人のための座席から乗客を避難させなければならないという規則があり、「彼の体重では、(非常時に)安全を確保したり、避難させたりできない」と説明した。
広報担当者によると、同社はフランス大使館と連絡を取りながらフェリーやタクシーといった他の帰国手段を検討している。シュネさんはユーロスターが乗り入れるロンドンのセント・パンクラス(St Pancras)駅の近くのホテルに滞在している。
シュネさん一家は、スイスとの国境近くにある町フィルネーボルテール(Ferney-Voltaire)の自宅を目指している。(c)AFP/Guy JACKSON