【11月20日 AFP】ロシア中部タタルスタン(Tatarstan)共和国の空港で17日、タタルスタン航空(Tatarstan Airlines)の旅客機が墜落して乗客乗員50人全員が死亡した事故を調査している同国航空当局は19日、事故原因がパイロットの操縦ミスにあった可能性が高いとの見解を示した。

 事故を起こしたのはモスクワ(Moscow)発のボーイング(Boeing)737型旅客機で、同市から東に720キロ離れたカザニ(Kazan)空港で着陸に失敗し、墜落・炎上した。事故の瞬間を捉えた衝撃的な映像には、地面に垂直落下する同機が写されている。

 事故調査に近い筋がインタファクス(Interfax)通信に明かしたところによると、「ブラックボックスからの一次情報から判断すると、同機の垂直落下と墜落は異常事態下での乗務員の誤操作に起因した可能性がある」という。

 同機は、パイロットが1度着陸を試みたものの、何らかの理由で中止し旋回、再び着陸を試みた際に墜落した。

 事故を調査している国家間航空委員会(Interstate Aviation Commission)が先に出した声明では、事故原因について言明は避けながらも、機材の不具合ではなくパイロットの操縦ミスが示唆されていた。同声明によると、乗務員が「通常規定にのっとった標準的な着陸操作」を行わず、同機は「高度700メートルから急降下し始め、最終的に機体と地面の角度は垂直になり、時速450キロ以上の高速で地面に衝突した」という。また、エンジンやシステムの不良を示す兆候は見つからなかったとしている。

 緊急事態省によると、事故の犠牲者には英国人1人とウクライナ人1人が含まれるが、残る48人は全員ロシア人とみられている。

 同機は23年前に製造され、過去に所有者が6回代わっている。2001年にブラジルで硬着陸したことがあり、その後修理を受けていた。(c)AFP