【11月20日 AFP】化石燃料とセメント生産による二酸化炭素(CO2)の排出量は2012年、主に中国の石炭火力発電による排出増加に押され、前年比2.2%増で過去最高の350億トンとなった。

 ポーランドのワルシャワ(Warsaw)で開催中の第19回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP19)に合わせ、地球温暖化に関する国際研究グループ「グローバル・カーボン・プロジェクト(Global Carbon ProjectGCP)」の報告書が発表された。これによれば、化石燃料とセメント生産を排出源とするCO2は、温室効果ガスの排出レベルの指標年とされる1990年に比べ58%増となっている。またGCPの報告では、経済活動からの推算に基づく2013年のCO2排出量について、前年比で2.1%増加し360億トンに達すると予測している。2012年、2013年の増加率は、過去10年間平均の2.7%をやや下回っている。

 GCPによれば、大気中の主要な温室効果ガスはCO2で、人間によるその排出のほぼ全てを占めているのは、石炭・石油・ガスといった化石燃料の消費とセメント生産によるもので、残る40億トンほどは土地利用の変化など他の排出源によるという。

 中国のCO2排出量は前年比5.9%増で、2012年の世界全体におけるCO2排出量増加分の70%を占めた。中国の排出量増加率は過去10年間では平均7.9%だった。2012年に中国では再生可能資源や水力発電の消費が25%程度増えたものの、これは想定CO2排出量(ベースライン)が低いことに由来するもので、ベースラインが高い石炭火力発電の6.4%増で相殺されてしまっている。2012年、石炭火力発電は中国のエネルギー消費の68%を占めた。

 この他、2012年のCO2排出量で目立った増加があったのは、日本とドイツで(各6.9%、1.8%増)、これは原子力発電から石炭火力発電への切り替えによって増加した。またインドは7.7%と急増しており、これは石炭火力発電の10.2%増が要因となっている。(c)AFP