メキシコ西部の町を自警団400人が乗っ取る
このニュースをシェア
【11月19日 AFP】麻薬密輸組織に悩まされるメキシコ西部ミチョアカン(Michoacan)州で、約400人からなる自警団が町を1つ乗っ取った。武装組織との衝突で3人の死者が出たという。
州政府の発表によると、自警団は16日、同州タンシタロ(Tancitaro)の町役場と中央広場を占拠した。メキシコの情報機関・国家安全調査局(CISEN)はAFPの取材に、自警団は総勢400人ほどで、町から警察を追い出し、治安権限を握ったと語った。
州検察当局筋によれば、この自警団はタンシタロを掌握する前、近隣の町パレオ(Pareo)で犯罪組織のメンバーとみられる武装グループと銃撃戦になり、3人を射殺したという。
政府によれば自警団は同州の町ブエナビスタ(Buenavista)とテパルカテペク(Tepalcatepec)の出身者で結成されたもの。現在、軍と警察がタンシタロ周辺に展開しているという。
ミチョアカン州では、麻薬カルテル「テンプル騎士団(Knights Templar)」による殺人や誘拐、ゆすりといった犯罪が後を絶たず、うんざりした複数の町の住民が今年に入って武器を手に戦いを始めた。
エンリケ・ぺニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領は5月に数千人の軍部隊を同州に派遣し、今月には港湾都市ラサロ・カルデナス(Lazaro Cardenas)を制圧したが、暴力事件は減っていない。(c)AFP