【11月18日 AFP】ナイジェリア北部で昨年12月にイスラム過激派に拉致され、人質となっていたフランス人技師が16日、自力で脱出に成功し、警察に保護された。フランス当局が17日発表した。

 フランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領の発表によると、技師のフランシス・コロン(Francis Collomp)さん(63)は昨年12月19日、ナイジェリア北部カツィナ(Katsina)州で拉致され、11か月間にわたってイスラム武装組織に監禁されていた。

 ナイジェリア・カドゥナ(Kaduna)州の警察当局によれば、コロンさんは同州北部ザリア(Zaria)で監禁されていたが16日、武装組織のメンバーらが礼拝を行っている隙を突いて脱出した。コロンさんは組織メンバーがいつも15分間祈りをささげていることを知っており、この日、見張りがコロンさんを閉じ込めた部屋の鍵をかけずに礼拝に行った隙にそっと部屋を抜け出し、走って逃げたという。

 コロンさんは途中でオートバイタクシーを捕まえ、最寄りの警察署に連れて行ってくれるよう頼んだ。そこから、カドゥナへ送り届けられたという。

 コロンさんは17日午後、ローラン・ファビウス(Laurent Fabius)仏外相に付き添われて首都アブジャ(Abuja)から仏パリ(Paris)行きの航空機に搭乗。18日早朝、パリ郊外のビラクブレ(Villacoublay)空軍基地に到着し、親類6人とジャンマルク・エロー(Jean-Marc Ayrault)首相の出迎えを受けた。

 航空機から降り立ったコロンさんは非常に疲弊した様子だった。仏外務省筋によるとに、コロンさんは監禁中に体重が30キロも減少し衰弱しているものの、精神状態は良好だという。一方、コロンさんの妻アンヌマリー(Anne-Marie)さんが仏テレビ局BFMTVに語ったところによれば、コロンさんは「40キロやせたと言っていた」という。

 コロンさんはパリのバルドグラース(Val de Grace)軍病院で健康診断とカウンセリングを受けるほか、仏情報機関・対外治安総局(DGSE)から拉致・監禁・脱出の経緯について説明を聞かれるという。(c)AFP/Ola AWONIYI/Sophie DEVILLER