アフガンで自爆攻撃、国民大会議に反対のタリバンが犯行声明
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【11月17日 AFP】アフガニスタンの首都カブール(Kabul)で16日、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)による自動車爆弾を使った攻撃があり、少なくとも6人が死亡、22人が負傷した。
政府関係者によると、爆発があったのは21日にアフガンの部族の長老らが米国との安全保障協定について協議するロヤ・ジルガ(Loya Jirga、国民大会議)の会場となる大型テントから150メートルほど離れた場所。内務省によると、治安部隊が追跡していた不審な車に警察が発砲したところ、乗っていた男が車を自爆させたという。
タリバンは事件当日の夜に犯行声明を出した。2001年に米軍主導の攻撃によって政権が崩壊したタリバンは、ロヤ・ジルガの開催を非難し、参加を拒否。タリバンの構成員に出席しないように命じるとともに、「協定締結を承認すれば裏切り者として罰する」と警告していた。
■協定締結できなければ治安悪化の懸念も
両国間の安全保障協定については先月、ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領とカブールを訪問したジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官の間で基本合意に達している。ただ、カルザイ大統領が、国内で意見が分かれる問題の決定権を持つのはロヤ・ジルガだけだと主張したことから、最終合意には至っていない。
アフガン国内で意見が分かれているのは、米国がアフガン駐留米兵に対する裁判権の維持を求めていることだ。これが認められれば米兵はアフガンの法律による刑事訴追を免れる権利を持つことになるが、ケリー国務長官訪問後、この問題が協定締結に向けた最大の障害として浮上した。
協定がロヤ・ジルガと議会で承認されれば、米軍主導で北大西洋条約機構(NATO)が指揮する国際治安支援部隊(ISAF)の戦闘部隊7万5000人が撤収する予定の2014年12月以降も、5000~1万人程度の米兵がアフガン駐留を続け国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の残党との戦闘や国軍の訓練を支援することになる。
米政府は2011年、イラクとの間で同様の安全保障協定に合意することができず、米軍を全面撤退させることになった。そしてイラクは現在、宗派間抗争が2008年以来最悪の状況になっている。(c)AFP/Usman SHARIFI