【11月16日 AFP】リビアの首都トリポリ(Tripoli)で15日、暴力的な民兵の排除を求める市民のデモ隊と民兵組織などが衝突し、少なくとも31人が死亡、数百人が負傷した。2011年にムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の独裁政権を崩壊させた民兵の残党は、混迷が深まるリビアでますます勢力を拡大している。

 政府は武装した各組織に停戦を呼び掛け、港湾都市ミスラタ(Misrata)から政府の増援部隊も到着したが、トリポリでは同日夜になっても散発的な発砲は続き、爆発音も聞こえたという。

 ヌールッディン・ダグマン(Nureddin Doghman)保健相によると、同日の時点で確認された死者は31人、負傷者は285人。複数の当局者が首都トリポリは極めて混乱した状態だと認めていることから、死傷者が増える恐れがある。

 一方、アリ・ゼイダン(Ali Zeidan)首相は、衝突には武装したデモ隊などが関わっているが、「状況を複雑にしないため」、今のところ治安部隊は介入していないと明らかにした。

 10月に旧体制派の民兵組織に一時拉致されたゼイダン首相は10日、民兵組織に反対する集会で、混乱が収まらなければ外国がリビアに介入する可能性に言及するとともに、「街に出て軍と警察の構築を支えてほしい」と述べて民兵組織に抵抗するよう国民に訴えていた。(c)AFP/Imed LAMLOUM