【11月16日 AFP】国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)の幹部が15日、東京で開催される2020年夏季五輪で新たな実施競技が追加される可能性を否定したことで、野球とソフトボールの復活を熱望する開催国の日本には落胆が広がった。

 9月7日に行われたIOC総会では東京がマドリード(Madrid)とイスタンブール(Istanbul)と争っていた招致レースの結果と、レスリングの競技復活が発表され、2020年夏季五輪で実施される28競技が決定していた。

 野球とソフトボールは連携して1競技として生き残りを目指していたが、レスリングにその座を奪われ、最終候補に挙がっていたスカッシュも落選した。

 日本では人気の高い野球だが、世界的に魅力度が欠けているといった複数の理由から、性質が似ているソフトボールとともに2012年ロンドン五輪で正式種目から除外された。

 東京で記者会見を行ったジルベール・フェリ(Gilbert Felli)五輪統括部長は、2020年の夏季五輪で実施される28種目はすでに決定しており、「皆さんがご存知の競技です」と述べた。

 2020年夏季五輪開催に向けて大会組織委員会や出資者となる予定の人たちを対象としたセミナーを開催するために東京を訪れたフェリ氏は、新種目の追加には「明確なプロセスと手続き」があると明言している。

 しかし、日本で愛されている球技が競技に復活するチャンスはまだ残されている。

 来週には新任のトーマス・バッハ(Thomas Bach)IOC会長が東京を訪問する予定となっており、そこで野球とソフトボールの競技復活が働きかけられることが予想されている。

 すでに決定している実施競技の変更は、IOCの理事会で改訂案が発議された上で総会にて承認された場合にのみ実現する。

 フェリ氏はまた、IOCに対して「(2016年)リオデジャネイロ夏季五輪後に規律や開催大会に何らかの変化がもたらされるかもしれない」と話したことを明かしている。(c)AFP