停電の中治療続ける医師ら、遺体収容は進まず フィリピン
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【11月15日 AFP】台風30号(アジア名:ハイエン、Haiyan)で壊滅的被害を受けたフィリピン中部レイテ(Leyte)州タクロバン(Tacloban)では、停電したままの病院で医師らが必死の救命活動に当たっている。ディバイン・ワード病院(Divine Word Hospital)は市内で唯一、台風通過直後から被災者の治療を開始した病院だ。
屋根は一部が吹き飛ばされ、購入したばかりのMRI(磁気共鳴画像装置)もローンを残して壊れてしまった。X線診断装置も救急治療室もめちゃめちゃだ。停電のため、生命維持装置が必要な入院患者9人が亡くなった。だが、暗いロビーには大けがをした被災者たちがひしめき合って治療の順番を待っている。被災から7日目にして日本や韓国、イスラエルの医療支援チームが到着し、脚の切断が必要な患者3人の手術がようやくできることになった。
一方、市内では14日から犠牲者の埋葬が始まったが、まだ路上に放置されたままの遺体も少なくない。市当局は生存者の救援を最優先しているためと説明しているが、死者の多さに遺体収容が追い付いていない現状も認めている。一家全員が犠牲になった例もあり、身元確認作業も難航している。(c)AFP/Cecil MORELLA/Jason Gutierrez