消息不明の露バンドメンバー、シベリアへの移送完了と発表
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【11月14日 AFP】服役中に消息不明が伝えられていたロシアの女性パンクバンド「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」のメンバーについて、露大統領府直属の人権委員会は12日、シベリア(Siberia)連邦管区クラスノヤルスク(Krasnoyarsk)の刑務所への移送が完了したと発表した。
ナジェージダ・トロコンニコワ(Nadezhda Tolokonnikova)さん(24)は、ロシア正教会の聖堂でウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を批判する歌を演奏してフーリガン行為で有罪となりロシア中部の刑務所に収監されたが、刑務所内での虐待を訴えてハンガーストライキを行ったため、10月22日に別の刑事収容施設に移送されたと発表されたきり消息が分からなくなっていた。
ロシア連邦人権委員会のウラジーミル・ルキン(Vladimir Lukin)議長はインタファクス(Interfax)通信に「トロコンニコワはクラスノヤルスク地方に着いた。ここで刑期の一部を務める」と述べ、「本人の希望で(収容施設内の)病棟に入ったと聞いている」と付け加えた。なぜトロコンニコワさんが医師の治療を望んだかは説明しなかった。
同人権委は先にトロコンニコワさんについて、クラスノヤルスク地方北部の都市ノリリスク(Norilsk)に住んでいると登録されているためシベリア西部の施設に移送されたと発表していた。しかし、夫のピョートル・ベルジロフ(Pyotr Verzilov)さんは先週、信頼できる筋から移送先だと聞いたクラスノヤルスクから300キロほど離れた刑事施設を訪ねたが、トロコンニコワさんはいなかったと述べて不安をあらわにしていた。
ベルジロフさんはトロコンニコワさんとの間に生まれた幼い女児とともに、首都モスクワ(Moscow)で暮らしている。約3000キロ離れたクラスノヤルスクへの移送は、トロコンニコワさんに対する懲罰とみられる。(c)AFP