【11月14日 AFP】台風30号(アジア名:ハイエン、Haiyan)で壊滅的な被害を受け、当局が懸命に遺体処理の努力を続けているフィリピン・レイテ(Leyte)州の州都タクロバン(Tacloban)市で13日、銃の発砲があり、集団埋葬が中止を余儀なくされた。

 発砲は台風の犠牲者を埋葬するため車列が共同墓地に向かっていた時に起きた。アルフレッド・ロムアルデス(Alfred Romualdez)タクロバン市長はAFPに「集団埋葬場所は掘り終わった。遺体をのせたトラックも来た。だが、数発の発砲があった。それから先には行けなかった」と語った。

 タクロバンでは、腐敗しつつある遺体で衛生状態の悪化が懸念されている。台風30号が沿岸地域を襲ってから5日たった同市では、必需品の供給が不足し、生存者たちは必死に脱出を試みている。廃虚と化したタクロバンから逃れようと何千人もの人々が数少ない航空便に殺到している。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は、医療関係者たちは多数の負傷者の手当てに加え、窮屈な居住環境と汚染された飲み水による病気のまん延を防ぐために活動しているが、1130万人を超える被災者の間では今月1万2000人の赤ちゃんが生まれるとみられており、通常の保健活動も実施しなければならないと指摘している。(c)AFP/Cecil Morella