【11月13日 AFP】国連(UN)は13日、今年のアフガニスタンのケシ作付面積が過去最高を記録したと発表した。米軍主導の北大西洋条約機構(NATO)軍の来年の撤退を前に、農民が「保険」として作付けを増やしたのが原因だという。

 国連薬物犯罪事務所(United Nations Office on Drugs and CrimeUNODC)の年次報告書によると、アフガニスタンにおける2013年のケシ作付面積は前年の15万4000ヘクタールから36%増加して20万9000ヘクタールとなり、ヘロインの主原料であるアヘンの生産量は前年比で約50%増加した5500トンに達した。作付面積は過去最高だった2007年の19万3000ヘクタールを上回ったが、アヘン生産量はアフガニスタン南部の悪天候でケシの収穫量が減少したことから2007年の7400トンよりも少なかった。

 また、アヘンの出荷価格は約33%上昇し、その総額は2013年のアフガニスタンの国内総生産(GDP)の4%にあたる9億5000万ドル(約950億円)相当となった。

 アフガニスタンでは、現在約7万5000人が駐留するNATO軍が2014年内に撤退すれば国内が混乱と無秩序に陥るとの恐れが広がっている。UNODCは「農家は、来年の国際部隊撤退から生じかねない不確かな未来に対する保険として蓄財を試み、作付面積を増やしたのかもしれない」と述べた。(c)AFP