【11月13日 AFP】手漕ぎボートでの大西洋横断に挑戦していた、カナダ・ケベック(Quebec)出身のミレーヌ・パケット(Mylene Paquette)さん(35)が12日夜、目的地のフランス北西部ロリアン(Lorient)の港に到着した。パケットさんは、1人で大西洋を東回りで横断した初の北米出身者となった。

 7月6日にカナダのハリファクス(Halifax)から全長7.31メートルのボートに乗って出航し、129日間の挑戦を無事に終えたパケットさんは、AFPに対して「ようやく終わった。本当につらいことも多かったので、今は終わってほっとしている」と感動を隠しきれない様子で語った。

 2700カイリにおよぶ挑戦では、時速100キロの強風と高さ12メートルの波がうねる海域を通過しなければならなかった。途上、ボートが転覆することも何度かあり、約2週間前には転覆と同時に頭をぶつけて気を失いかけた。そのときは心底恐怖を感じたという。

「貨物船も恐ろしかった。私のすぐそばまで近づいてきたの。時々、もう二度と家族に会えないんじゃないかと不安になったけど、再会できて本当に幸せです」

 大西洋横断では、西回りより東回りの方が難易度が高いとされる。これまで女性2人を含む10人が横断に成功しているが、北米出身者は1人もいなかったという。(c)AFP