【11月12日 AFP】猛烈な台風30号(アジア名:ハイエン、Haiyan)の上陸で壊滅的な被害を受けたフィリピンのレイテ(Leyte)州の州都タクロバン(Tacloban)で11日夜から12日にかけて豪雨があり、絶望的な状況に追い込まれた被災者をいっそう苦しめている。

 台風30号上陸の際、タクロバンには高さ5メートルの波が押し寄せ、波は内陸数百メートルまで到達、ほぼ全ての建物を倒壊させた。国連(UN)によると、タクロバンだけで死者は1万人に達する恐れがある。さらに被災者の数は、フィリピンの人口の10%にあたる1000万人近くに上るとみられている。

 支援活動は、食料や水、医薬品、避難所などの提供が間に合っておらず、被災者の間では絶望が広がっている。犠牲者の遺体の収容も追いついていない。また、暴徒による略奪も横行しており、政府はタクロバンに夜間の外出禁止令を出し、特殊部隊を派遣した。

 フィリピンには新たな熱帯低気圧が接近しており、被災地に影響を及ぼす恐れが出ている。12日、米英の軍艦がフィリピンに派遣された。(c)AFP/Cecil Morella