オランダで新ナビシステム試験運用へ、渋滞解消なるか
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【11月12日 AFP】高速道路の渋滞防止を目的としたナビゲーションシステムの試験運用が2014年にオランダで予定されている。ドライバーに車線変更を指示するなどして渋滞を防ぐ試みだという。
試験運用はドイツとベルギーを結ぶオランダの高速道路75キロの区間で、早ければ4月にも行われる予定。この高速道路は大型トラックの利用が多い。
研究に参加しているオランダのIT企業テクノルーション(Technolution)のポール・ファン・コニングスブルゲン(Paul van Koningsbruggen)氏は「トラックの列が交通渋滞を引き起こすこともある」と指摘する。
「連鎖反応の仕組みです。自動車がトラックの後方で減速すると、その後の自動車も減速する。この際、後の自動車はより強くブレーキを踏むことになる。これがさらに続き、最終的にはほぼ停止状態と同じ車両が出てくる」
研究者らは、このような連鎖反応を生じさせないようにするため、ドライバーに車線変更すべきタイミングと適切な速度を提供することで交通渋滞を回避できるのではと考えた。
この研究には、GPSナビゲーション機器製造のオランダの電子機器メーカー「トムトム(TomTom)」とデルフト大学(Delft University)も携わっている。
トムトムのPeter Krootjes氏は「試験運用には約1000人のドライバーが参加する予定」としており、また実用化の時期については、試験運用でどれだけの成果を得られるかにかかっているとした。
試験運用の期間、ボランティアで参加するドライバーらはスマートフォンにダウンロードしたアプリを利用する。また一部の車両には、より詳細なデータを取るためにセンサーとカメラが取り付けられる。
このシステムは、対象となる高速道路区間で少なくとも30%~40%のドライバーがアプリ利用してはじめて機能すると考えられている。「1人だけが車線や速度を変えても、渋滞の回避にはつながらない」と、ファン・コニングスブルゲン氏は説明した。
Krootjes氏は「このシステムが交通渋滞の終わりを意味すると言っては、野心的すぎだが」と前置きしたうえで、「確かなのは、交通量について情報を得ているドライバーほど家に早く帰れるということ。このシステムを皆で活用すれば、渋滞は軽減されるだろう」と述べた。 (c)AFP