【11月11日 AFP】インド洋の島国モルディブで10日に予定されていた大統領選の決選投票が開始数時間前に最高裁の命令で延期されたことについて、国連(UN)の潘基文(Ban Ki-moon)事務総長は「重大な懸念」を示し、これ以上の遅滞なく投票が行われることを求めていると表明した。国連のマーティン・ネシルキー(Martin Nesirky)報道官が10日発表した。

 モルディブで初めて民主的に選ばれたが、2012年2月のクーデターで辞任に追い込まれたモハメド・ナシード(Mohamed Nasheed)前大統領(46)は、最高裁が決選投票を延期したのは自分の政権復帰を阻止するためだと非難した。

 国連報道官の発表によると、潘事務総長は第1回投票は「平和的で透明性があった」と思うが、10日の決選投票の延期決定には重大な懸念を有していると表明。「すべての政治家と国家機関に対し、自制を示し、9日の投票で示された国民の正当な意思を尊重し、モルディブ国民の利益を最優先にしてこれ以上の遅滞なく大統領選挙を終えるよう緊急に呼びかけ」、危機克服のために国連は政治的支援を行う、と述べた。(c)AFP