ツタンカーメン王のミイラ、自然発火で燃えていた 英研究
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【11月11日 AFP】古代エジプト王朝のツタンカーメン(Tutankhamun)王の遺体は、ミイラ化の不手際による自然発火で燃えていたとする英科学者らの研究結果が10日、英テレビ、チャンネル4(Channel 4)ドキュメンタリー番組「Tutankhamun: The Mystery of The Burnt Mummy(ツタンカーメン:焼けたミイラの謎)」として放映された。
エジプト学者のクリス・ノーントン(Chris Naunton)氏と法医学者らから成るチームは、若きファラオ(古代エジプト王)だったツタンカーメンに「仮想検視」を実施。王の肉片を化学的に検査したところ、王のミイラはひつぎ内に密封された状態で焼けていたことが確認されたという。
ノーントン氏によると、研究の手掛かりとなったのは英考古学者ハワード・カーター(Howard Carter)氏が残した多大な量のメモ書きだった。これらのメモは「考古学的情報の宝の山」であるにもかかわらず、その多くが一度も追跡調査されていないという。「ツタンカーメン王のミイラは、昔から大きく注目されてきたが、その奇妙な状態を把握する必要性については、ほとんど見過ごされてきた」
ノーントン氏は「炭化したミイラおよびミイラ化のプロセスで不手際があった可能性から、ツタンカーメン王の遺体は埋葬してから間もなく自然発火したとの結論に達した。これは、完全に予想外の新事実だ」と語っている。
ツタンカーメン王は、紀元前1333~24年までの10年間の在位の後、19歳ごろ死亡した。黄金のひつぎやマスクなどが収められた、同王のほぼ完全な状態の墓は1922年、英考古学者のハワード・カーター氏とジョージ・カーナヴォン(George Carnarvon)卿によって発見された。
2010年には、DNA検査とCTスキャンによって、同王が重度のマラリアにかかっていたことと、内反足を患っていたことが明らかになっている。
ツタンカーメン王のミイラは、エジプトのルクソール(Luxor)で展示されている。(c)AFP