【11月8日 AFP】米上院は7日、企業が被雇用者の性的指向および性別認識を基に雇用や解雇を行うことを禁じる歴史的な法案を賛成多数で可決した。

 法案の支持者らは、この同性愛者への雇用差別を禁止する法案について、人種間での平等を定めた法律や体の不自由な人に対する差別を禁じた法律に続く、近年で最も重要な公民権法だと述べた。

 民主党が過半数を占める上院での法案通過で主導的な役割を果たしたジェフ・マークリー(Jeff Merkley)議員は、「職場での差別を終わらせるために上院は動いた」と述べた。上院での採決では、共和党の議員10人も賛成に回った。同法案は今後、下院へと送られるが共和党のジョン・ベイナー(John Boehner)下院議長は法案に反対の意向を示してる。

 バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は、上院での可決を「米国民としての理想の土台形成に向けた歴史的な一歩」とたたえ、下院で採決を実施するようベイナー議員に求めた。

 さらにオバマ大統領は声明文のなかで、「米国では1人たりとも人種、性別、宗教、身体的障害などが理由で職を失うことはあり得ない。同様に、自分がどういった人間であるかや、愛する対象が誰であるかという理由で仕事を失うことがあってはならない」と述べた。

 一方、保守系議員らは、同法の施行は宗教の自由を損ない、訴訟が続々と起きかねないと警告している。(c)AFP/Michael Mathes