暴露された機密情報をテロ組織が利用、英情報機関長官ら指摘
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【11月8日 AFP】英情報3機関の各長官らが7日、議会の情報・安全保障委員会に出席し、米中央情報局(CIA)の元職員エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が暴露した機密情報を、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)などの敵対組織が利用しているとして警鐘を鳴らした。
委員会に出席したのは、英秘密情報部(MI6)、英情報局保安部(MI5)、英政府通信本部(GCHQ)の各長官ら。厳重な警備の下で行われた委員会の模様はテレビでも放送されたが、「誤った情報」がそのまま報道されるのを防ぐために生中継されず、約2分の時間差が設けられた。
委員会に出席したMI6のジョン・ソワーズ(John Sawers)長官は、スノーデン容疑者が暴露した米英の情報収集活動に関する情報は、アルカイダを初めとするテロ組織への「贈り物」となったとして、「暴露はわれわれに大きな打撃を与え、またわれわれの活動は危険にさらされることになった」と述べた。
GCHQのイアン・ロバン(Iain Lobban)長官は、中東や中央アジア地域などの過激派組織が、スノーデン容疑者の暴露情報から得ることのできる「教訓」について話し合う会話を傍受したことを明らかにし、また通信手段が脆弱だったことが判明したことから、一部組織は新たな交信方法を模索していると述べた。
MI5のアンドリュー・パーカー(Andrew Parker)長官は、2005年7月7日のロンドン(London)地下鉄爆破事件以来、英情報機関は34件のテロ計画を阻止したことを強調。また特に内戦が続くシリアでは、イスラム武装組織と戦っている英国の兵士数百人が危険にさらされていることを指摘した。
委員会に出席した長官らは、国家の安全と国民のプライバシーを守る権利の両方を考慮して活動していると述べたが、英国にとっての最大の脅威であるアルカイダとその多くの関係組織により国内外でテロの脅威が増していることを同時に指摘した。(c)AFP/Danny KEMP