【11月8日 AFP】フランス皇帝ナポレオン・ボナパルト(Napoleon Bonaparte)が死の半月前に作成した遺言の補足書が6日、フランス・パリ(Paris)の競売場ドゥルオー(Drouot)で競売に掛けられ、35万7000ユーロ(約4700万円)で落札された。予想落札価格は8万~12万ユーロ(約1000万~1500万円)だった。

 この遺言補足書は、ナポレオンが流刑地の英領セントヘレナ(Saint Helena)島で1821年4月16日に作らせたもので、側近のモントロン伯爵(Count of Montholon)の手書き。「私の遺灰は、わが愛するフランス国民に囲まれたセーヌ(Seine)川岸に安置してほしい」と書かれている。もう1枚には、ナポレオンがセントヘレナ島で所有していた家具や宝石類、銀食器、陶磁器、武器、書籍などがリスト化され、側近と「善良で、私の愛する母」との間で分け合うよう指示されている。

 ナポレオンはこの遺言補足書を作成した約半月後の5月5日、51歳で死去した。

 ナポレオンは自ら遺言書を記しており、最後に作成されたものはパリのフランス国立公文書館(Archives Nationales)に展示されている。しかしナポレオンは、原本が英国によって破棄されてしまう可能性を恐れており、数通の複製を作成していた。今回競売に掛けられたものは、モントロン伯爵の子孫が所有していたもの。(c)AFP