【11月6日 AFP】米アップル(Apple)は5日、政府から求められたデータ提供についての内容を発表するとともに、米国の安全保障に関連する命令について公開を制限する「かん口令」に対する抗議を表明した。

 アップルは、7ページに及ぶ資料の中で、政府からの要求の大半は「強盗その他の犯罪、あるいは行方不明者や誘拐の被害者などの捜査や、自殺を未然に防止しようとする法執行当局者からの要請」などの犯罪捜査に関連したものだったと述べた。

■「公開の規制」に抗議

「米政府はこれらの要求について限定的な情報の公開しか認めておらず、われわれは国家安全保障に関連した要請とアカウントごとの法執行当局からの要請との数字を合算しなければならず、また、その合算数を1000単位ずつでしか発表できない」と、アップルは述べた。

 資料によると、アップルは今年1月1日から6月30日までの期間に1000~2000件の開示要求を政府から受けた。影響を受けたアカウント数は2000~3000だった。これらのうち、何件のデータが政府に提供されたかについて詳細は発表できないと述べた上で、0件から1000件の範囲だったとだけ発表した。

 また、「われわれはこのかん口令に強く反対する」と述べ、より詳細な数字を発表できるよう働きかけていることを付け加えた。

■愛国者法に基づく要求はなし

 一方で、政府に広範囲の電子監視権限を与える米国愛国者法(Patriot Act)第215条に基づく要求についてはまだ一度も受け取っていないと表明し、「もしそのような命令が出された場合には、われわれは対抗するつもりだ」と述べた。

 また、国外での事例については、英国で127件、スペインで102件、ドイツで93件、オーストラリアで74件、フランスで71件など、合わせて数百件の要請を受けたと発表した。(c)AFP