バングラデシュ、09年反乱関与の兵士152人に死刑判決
このニュースをシェア
【11月6日 AFP】2009年にバングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)で兵士らが反乱を起こし、多数の軍幹部を含む74人が殺害された事件の集団裁判で、同国裁判所は5日、兵士152人に死刑、さらに数百人に終身刑や禁錮刑を言い渡した。
同市の内務省治安機関(Bangladesh Rifles、BDR)本部で発生、その後他の駐留拠点にも広がったこの反乱では、銃撃されたり、繰り返し切りつけられたり、生きたまま焼かれたりして74人が殺害され、遺体は下水溝や浅く掘っただけの墓穴に遺棄されていた。同日の特別法廷には、殺人や拷問などの容疑で兵士823人と、共謀罪で民間人23人が出廷した。
判事は、このうち武器を略奪して虐殺を主導したとされる兵士152人に死刑、161人の兵士と民間人数人に終身刑、262人に最高10年の禁錮刑を言い渡した。死刑判決を受けた兵士らの弁護士は、上訴する意向を示している。この反乱は、兵士らが給与の引き上げや処遇の改善を長く訴えていたにもかかわらず、聞き入れられなかったことが発生原因の1つになったとみられている。
残る271人について無罪が言い渡されると、歓声や「神は偉大なり(Allahu Akbar)」という叫び声が上がり、法廷内は騒然となった。
主任検察官は、2011年1月に始まり今年10月に結審した一連の審理には数百人の証人が召喚され、この種の裁判の中でも世界最大規模になったとしている。人権団体からは、規模が大きすぎて公正な裁きを下すことは不可能だとして、批判の声が上がっていた。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch、HRW)は先週、「数百人をまとめて巨大法廷で裁判にかければ、被告らは弁護士とほとんど、あるいは全く接触することができず、これは法的な国際基準に真っ向から対立するものだ」と非難していた。(c)AFP/Kamrul KHAN