【11月5日 AFP】太陽に似た恒星のおよそ2割が地球と同程度の大きさの惑星を持ち、うち地球から最も近くにある恒星は裸眼での観測が可能だとする研究論文が4日、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に掲載された。

 論文を発表したのは、米航空宇宙局(NASA)のケプラー(Kepler)宇宙望遠鏡を使用して生物が生存可能な太陽系外惑星の探査をしている科学者のチーム。

 研究チームは、ケプラー望遠鏡を使って収集した4年間のデータのうち最初の3年間のデータを用いて833個の新惑星候補を発見。最初の2年間のデータを分析した時点で、地球と同程度のサイズの惑星351個が見つかった。

 これによって現在確認されている惑星候補の総数は3538個に上り、うち地球と同程度のサイズの惑星は計647個となった。チームによると、このうち、さらにハビタブルゾーン(生命居住可能領域)に存在する惑星は104個に過ぎない。うち約10個が地球に似た岩石惑星である可能性があるという。

 チームはまた統計学的手法を用い、天の川銀河に存在する約1000億個の恒星のうち生物が生存可能な惑星を持つ可能性がある恒星の数を算出した。

 こうした分析を行った結果、研究チームは太陽に似た恒星の約22%に、生物が生存可能な地表温度を持つ地球とほぼ同じサイズの惑星を持つ可能性があるとの結論を得た。地球の最も近くに存在する恒星までの距離は約「12光年」で、裸眼で見ることができるという。

 ケプラー計画は現在、これらの惑星に生命を維持する大気や酸素、水が存在するかどうかといった詳細を明らかにするところまでは至っていないが、今回の発見は地球外生命探査において重要な一歩であり、今後の最新技術がさらなる問いに答えてくれるだろうと研究チームは述べている。(c)AFP/Kerry SHERIDAN